減価償却とは建物、車、パソコンなど固定資産を購入した場合、資産としての価値を数字で算出することをいいます。
自動車、コンピューターなどの固定資産は時間がたつにつれ劣化していきます。つまり、資産としての価値も年々ひくくなっていくのです。この資産価値を数字で表そうというのが減価償却なのです。
また高額の固定資産を購入した場合、その年に全額必要経費として計上してしまうと損益が正しく判断できません。
減価償却で固定資産を複数年度に分けて必要経費として計上することで経営状態を会計上安定させることができるのです。
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減価償却する主な資産
減価償却する資産には有形固定資産(ゆうけいこていしさん)と無形固定資産(むけいこていしさん)と呼ばれるものがあります。これらの固定資産には耐用年数がそれぞれ決められています。
有形固定資産
有形固定資産は、建物や機械、工具器具備品などの形があるものです。
●主な有形固定資産
店舗、事務所、倉庫、製造機械、自動車、ボート、船舶、エアコン、パソコン、コピー機、電話、机、電話など
無形固定資産
無形固定資産には形がないもの、特許権や商標権などの権利やソフトウェアの原本などがあります。
●主な無形固定資産
特許権(技術に対して与えられる権利)
商標権(屋号や製品、銘柄などにつけられる権利)
漁業権(一定の海域で漁業ができる権利)
意匠権(物品の形状や模様、デザインにつけられる権利)
実用新案権(物品の形状、組み合わせのアイデアに与えられる権利)
ソフトウェア(複写して販売するためのソフトの原本など)
減価償却するには
減価償却が必要な固定資産がある場合には「固定資産台帳」と呼ばれる帳簿を用意し、取得した日付や価格、償却残高などを記録していく必要があります。
固定資産台帳 画像
減価償却の計算方法には毎年一定額を償却する定額法と、一定率で算出した額を償却する定率法があります。定率法は初年度の償却費が最も多く、次第に減っていくという具合ですが、定率法を選択するには税務署に「減価償却の方法の届出」を提出しておく必要があります。提出しない場合は自動的に定額法が選択されるようになっていますので注意が必要です。
※取得価格が10万円以上20万円未満のものは単純に3で割って3年間均等償却できます。(一括償却資産の減価償却方法)
※平成18年4月1日から平成30年3月31日までの間に取得した資産のうち30万円未満のものは、その年の必要経費に全額することもできます。(参考:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)