減価償却のやり方・計算方法

12月の会期末になると減価償却の決算仕訳を行います。

減価償却の計算方法には定額法と定率法があります。定額法は毎年一定額を償却する方法です。定率法は初年度の償却費が最も多く、次第に減っていくという償却方法です。ここではその計算方法について詳しく説明したいと思います。

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定額法の計算方法

定額法は毎年一定額を償却する方法です。

まず、①取得価格と②耐用年数、③償却率、④残存価格を調べます。

①取得価格には資産そのものの購入費用と取得するときにかかった運賃や手数料などが含まれます。

②耐用年数はインターネットでも確認できます。自動車(総排気量0.66l以下のもの)なら4年、パソコンなら4年、コピー機なら5年という具合です。

③償却率は耐用年数によって決まっており、4年なら0.25、5年なら0.2という具合です。

④次に残存価格を計算します。残存価格とは資産を処分するときの処分見込額で、通常は「取得価格×10%」です。
※無形固定資産(特許権、商標権、ソフトウエア)は0%

では定額法の計算式にあてはめて減価償却をしてみましょう。

定額法の計算式=(取得価格-残存価格)×定額法償却率

例)
パソコンを6月1日に50万円で購入しました。減価償却の方法は定額法を選んでいます。

①取得価格は500,000円です。
②パソコンの耐用年数は4年です。
③償却率は耐用年数が4年ですので0.25です。
④残存価格は500,000×10%で50,000になります。

これを定額法の計算式に当てはめると下記の通りです。

(500,000-50,000)×0.25=112,500

一年使用で112,500円償却することになりますが、この場合は年度の途中で購入していますので、112,500円を使用した月数で割って減価償却費を計算します。(例の場合でいくと7ヶ月間使用したことになります。)

112,500 × 7/12 = 65,625
12月の会期末に減価償却費として計上できるのは65,625円です。

減価償却費を決算整理仕訳する場合は
12/31 減価償却費 65,625/工具器具備品 65,625

となります。固定資産台帳に記入する「未償却残高」は取得価格から減価償却費を引いた金額です。

つまりこの年の未償却残高は例の場合でいくと
500,000-65,625=434,375となります。

※償却率については国税庁のHP:減価償却資産の償却率表(定率法・定額法)をご覧ください。

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定率法の計算式

定率法は初年度の償却費が最も多く、次年度以降は徐々に減っていきます。

まず、①取得金額、②耐用年数、③償却率、④減価償却費の累計額を調べます。

①取得価格には資産そのものの購入費用と取得するときにかかった運賃や手数料などが含まれます。

②耐用年数はインターネットでも確認できます。自動車(総排気量0.66l以下のもの)なら4年、パソコンなら4年、コピー機なら5年という具合です。

③償却率は耐用年数によって決まっており、4年なら0.438、5年なら0.369という具合です。

④減価償却費の累計額とは前年度までに減価償却してきた金額の累計額です。

では定額法の計算式にあてはめて減価償却をしてみましょう。

定率法の計算式=
(取得価格-前年度までの減価償却費の累計額)×定率法償却率

例)
パソコンを6月1日に50万円で購入しました。減価償却の方法は定率法を選んでいます。

①取得価格は500,000円です。
②パソコンの耐用年数は4年です。
③償却率は耐用年数が4年ですので0.438です。
④減価償却費の累計額は初年度ですので0です。

これを定率法の計算式に当てはめると下記の通りです。

500,000×0.438=219,000

一年使用で219,000円償却することになりますが、この場合は年度の途中で購入していますので、219,000円を使用した月数で割って減価償却費を計算します。(例の場合でいくと7ヶ月間使用したことになります。)

219,000 × 7/12 = 127,750
12月の会期末に減価償却費として計上できるのは127,750円です。

減価償却費を決算整理仕訳する場合は
12/31 減価償却費 127,750/工具器具備品 127,750

となります。固定資産台帳に記入する「未償却残高」は取得価格から減価償却費を引いた金額です。

つまりこの年の未償却残高は例の場合でいくと
500,000-127,750=372,250となります。

※償却率については国税庁のHP:減価償却資産の償却率表(定率法・定額法)をご覧ください。