貸倒引当金の仕訳のやり方

貸倒引当金とは売掛金や受取手形、貸付金など(誰かに支払ってもらう予定のお金)が回収できないような場合を想定して期末にその金額の5.5%以下を『貸倒引当金』として必要経費として計上するというものです。

貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)の計算は決算整理仕訳(決算仕訳)のときに行われます。

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貸倒引当金の仕訳例

貸倒引当金には前年度に計上した金額を翌年に「貸倒引当金戻入額(かしだおれひきあてきんもどしいれがく)」としていったん戻し入れしなければならないというルールがあり2年目以降の貸倒引当金の仕訳には注意が必要です。では実際に仕訳をしていきましょう。

初年度(はじめて)貸倒引当金計上する時の仕訳

例1)
期末の売掛金が1,000,000円ありその5.5%を貸倒引当金として経費に計上することにした。

貸倒引当金を計上する時には借方には「貸倒引当金繰入」を使い、貸方には「貸倒引当金」を使って仕訳をします。

貸倒引当金繰入 55,000 / 貸倒引当金 55,000

初年度の貸倒引当金の計上はこれでOKです。

2年目以降の貸倒引当金の仕訳

例2)
期末の売掛金が1,500,000円ありその5.5%を貸倒引当金として経費に計上することにした。前年度の貸倒引当金は55,000円計上している。

2年目以降はまず前年度に計上した貸倒引当金を「貸倒引当金戻入」を使って相殺(戻しいれる)する必要があります。そして今年度の貸倒引当金を新たに計上します。

①前年度分の貸倒引当金を消す

貸倒引当金 55,000/貸倒引当金戻入 55,000

②今年度の貸倒引当金を計上する

貸倒引当金繰入 82,500 / 貸倒引当金 82,500

2年目以降の貸倒引当金で実質必要経費として節税できる金額は、前年度分と今年分との差額になります。

貸倒引当金繰入額は青色申告決算書の損益計算書(39)に記入し、貸倒引当金は貸借対照表の負債・資本の部の貸倒引当金欄に記入します。

※上記の例で昨年度と今年度の貸倒引当金の差額を計算して仕訳をする場合
82,500-55,000=27,500
貸倒引当金繰入 27,500 / 貸倒引当金 27,500